介護業界で急速に進むICT化とは

ICT(Information and Communication Technology)は、インターネットや電子機器などを利用して、情報を処理する情報通信技術のことを指しています。
介護業界でもICT化が推進されており、令和3年度に行われた介護報酬改定においては、電子署名の利用やオンライン服薬指導の算定などもICTを意識した施策が取り入れられました。

介護現場でICT化が進むことで、書類作成の時間が軽減される、情報共有がスムーズにできるなどのメリットが得られます。
しかし、介護事業所でのICT化が進まない現状もあるようです。

その理由として、事業所で働く人のITに関する苦手意識が挙げられます。
パソコンが使えない、ソフトの扱い方がわからないなどの理由で紙媒体から脱せないというケースが挙げられます。
また、メリットは承知していても、導入に対する費用捻出が難しい事業所が多いのも現状です。

また、導入したとしても情報漏えい対策を万全にする必要があります。
ICT化だけでなく、リスクヘッジに対する知識や備えが乏しいと、ICT化は難しいと言えるでしょう。
専門業者にセキュリティ面を委託した場合でも費用がかさむため、難しいというケースもあります。

これらの理由のほかに、行政との連携でICT化が進まないといったところも大きな要因となります。
利用者への説明はPDFでのやり取りも可能とされていますが、これらの制度の導入は令和3年とつい最近の出来事です。
介護業界においては、ICT黎明期とも言える段階なので、今後の動きには注目すべきでしょう。