どのような場面でICTが活用されるのか

ICTは、通信技術を意味するITとほぼ同じ意味を持ちます。
このICTは、介護の現場のさまざまな場面で活用できると期待されています。
老人ホームなどの介護施設では、居住空間に動体探知センサーを取り付けて活用されているところもあります。

そこではその動体探知センターで入居者の動きを解析することで入居者の睡眠時間や活動時間を把握し、介護サービスの向上につなげられています。
また、心拍数や呼吸などのバイタルサイン測定時にも役立っています。
ICTを活用することにより、職員が計測しなくても異常があれば知らせてくれるのです。

他にも、タブレットを使って介護職員同士利用者の情報を速やかに共有することも可能です。
従来のように紙媒体に記入した情報を回し読みすることなく、1人が短時間で入力した情報を職員全員が自分のタブレットで確認できるのです。
画像を視認したい情報は、カメラで撮影して共有することも難しくありません。

さらに、訪問介護など出退勤のタイムカード記録が困難な業務にも、ICT機器の導入はメリットをもたらします。
スマホから出退勤を事業所に連絡することで、勤怠管理が容易になるでしょう。
これに加えて、介護ロボットの活用も期待されます。

排泄や入浴の介助用に作られた介護ロボットは利用者の身体を容易に移動でき、体力的負担の大きい身体介護の場面で重宝します。
利用者と会話して、レクリエーションの相手ができるコミュニケーションロボットもあります。
利用者の精神的安定を促し、認知症患者などの問題行動を抑制する効果が期待されています。